展覧会案内鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開

鏑木清方
幻の《築地明石町》特別公開


鏑木清方 《築地明石町》 1927(昭和2)年
絹本彩色・軸装 173.5×74.0cm
東京国立近代美術館 ⓒNemoto Akio




東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー10室

東京都千代田区北の丸公園3-1
tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年11月1日(金)〜2019年12月15日(日)
※月曜休館、ただし11/4は開館し、11/5休館
10:00~17:00
※金曜・土曜は20:00まで
※いずれも入館は各閉館の30分前まで
観覧料(当日):一般 800円 大学生 400円
※団体割引等あり

公式ホームページ:http://www.momat.go.jp/

→ チケットプレゼント *受付は終了しました

1975年以来44年もの間、所在不明となっていた鏑木清方の幻の名作、《築地明石町》と、あわせて三部作となる《新富町》《浜町河岸》が、東京国立近代美術館に新収蔵となったことを記念して、同館所蔵の清方作品をあわせた特別展が開催される。

鏑木清方(1878-1972)は東京神田に生まれ、浮世絵系の水野年方に入門し、挿絵画家として画業をスタートさせた。日本画では文展、帝展を主たる舞台とし、美人画家として上村松園と並び称された。

清方は明治末から大正にかけて、浮世絵をもとにした近世風俗を主なテーマとしていたが、関東大震災を大きなきっかけとして、失われゆく明治の情景を制作のテーマに加えた。そうして生まれたのが《築地明石町》(1927年)や、《三遊亭円朝像》(1930年)、《明治風俗十二ヶ月》(1935 年)といった名作の数々だった。

また、その頃から展覧会向きの絵とは別の、手もとで楽しめる作品を「卓上芸術」と名づけ、手がけるようになり、晩年は画帖、絵巻などの制作に打ち込んだ。文筆家としても名高く、『銀砂子』、『築地川』、『こしかたの記』などの著作がある。

本展は小規模ではあるが、重要文化財《三遊亭円朝像》や12幅対の《明治風俗十二ヶ月》など、粒よりの名作が並ぶ贅沢な展示となる。

多くの人々が再登場を待ちわびてきた《築地明石町》が、三部作という形でお披露目される本展、期待が高まる。