展覧会案内 没後200年 特別展 大名茶人・松平不昧 ─お殿さまの審美眼─

没後200年 特別展

大名茶人・松平不昧

─お殿さまの審美眼─


国宝「玳被盞 梅花天目」 南宋時代・12世紀 相国寺




三井記念美術館

東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年4月21日(土)〜2018年6月17日(日)
※月曜休館。ただし4/30は開館
10:00〜17:00
※入館は閉館の30分前まで
観覧料(当日):一般1,300円 大学・高校生800円 中学生以下無料
※団体割引・リピーター割引あり

ホームページ:http://www.mitsui-museum.jp

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今年は大名茶人として名高い松江藩主松平不昧(1751-1818)が没して200年。
不昧は広い人脈のもとに優れた書画や名物道具、美しい調度品など、名品を数多く蒐集したが、その中には今日、国宝や重要文化財に指定されているものも多い。本展では不昧が愛蔵した名品の数々、さらに不昧像が窺われる自筆の書画や好んで作らせた器なども紹介する。

石州流茶道を学び、江戸後期の遊芸化した茶道に対し利休の茶に帰ることを唱えた不昧は、生涯にわたって禅学を修め茶禅一味の茶の湯を極めた。名物茶器を記録した『古今名物類聚』の出版、散逸を心配し「天下の名物にして一人一家一国の宝にあらずと知るべし」という信念による茶道具の蒐集─『雲州蔵帳』は今なお高い評価を得ている。
不昧旧蔵の茶道具といえば、大名家ならではの唐絵や墨蹟、唐物茶器はいうまでもなく、さらに桃山時代以来、茶の湯の世界が伝えてきた侘茶の道具も数多い。桃山時代の名品、重要文化財「赤楽茶碗 銘無一物」のほか、国宝「玳被盞 梅花天目」、「片輪車螺鈿手箱」など、不昧所縁の名品には不昧好みともいえる一貫した美意識が窺えると言えよう。

また、名品蒐集にとどまらず、それらを蒔絵師や塗師などの職人にみせて学習させ、さらに自分の美意識を反映したお好み道具として再生させる「プロデューサー」としても活躍。そのほか、大名茶人である朽木昌綱や、画家の酒井抱一、伊川院栄信らとの交流によって様々な工芸品や絵画も生み出された。

藩財政を立て直した名君として、そして文化を極めた大名茶人として魅力に溢れた松平不昧。
その審美眼により厳選された名品を味わう、絶好の機会となるだろう。