展覧会案内オラファー・エリアソン ときに川は橋となる

オラファー・エリアソン
ときに川は橋となる


オラファー・エリアソン《ビューティー》1993年
Installation view: Moderna Museet, Stockholm 2015 Photo: Anders Sune Berg
Courtesy of the artist; neugerriemschneider, Berlin;
Tanya Bonakdar Gallery, New York / Los Angeles
© 1993 Olafur Eliasson

東京都現代美術館 企画展示室 地下2F

東京都江東区三好4-1-1
tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年6月9日(火)~2020年9月27日(日)
※月曜休館。但し、8/10、9/21は開館。8/11、9/23休館
10:00~18:00
※展示室入場は閉館の30分前まで
入館料(当日):一般 1,400円 大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円 中高生 500円 小学生以下無料

展覧会ページ:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/olafur-eliasson/

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光や水、霧などの自然現象を自在に変容させ、見る者に新しい知覚体験を与える作品で世界的に高く評価されているオラファー・エリアソン(1967年コペンハーゲン生まれ)。彼の日本では約10年ぶりとなる、大規模な個展が開催される。

本展は、彼の再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成される。代表作を含む、多くの作品が国内初公開となり、植物や木を用いたインスタレーション、光と幾何学に対する長年の関心が反映された彫刻、写真のシリーズ、ドローイングと水彩画、公共空間への介入をめぐる作品等が展示される。

展覧会のタイトルについて彼は、「〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります。私たちはこれまでずっと、過去に基づいて現在を構築してきました。私たちは今、未来が求めるものにしたがって現在を形づくらなければなりません。伝統的な進歩史観を考え直すためのきっかけになること、それがこうした視点のシフトの可能性なのです。」と語っている。

彼は、幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影してきた。《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019年)は、過去20年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させる。また、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映されたエリアソンのインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象をしばしば用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながす。さらに、本展では、最初期の代表作として、暗闇の中に虹が現れる《ビューティー》(1993年)も展示。アトリウムの吹き抜け空間と展示室に隣接するサンクン・ガーデンでは、大規模なインスタレーションが本展のために制作される。

スタジオ・オラファー・エリアソンの活動は美術作品の制作に限定されない。スタジオでは日々、実験とリサーチ、コラボレーションによって、さまざまなアイデアやプロジェクトが開発されている。本展では、サステナブルな生分解性の新素材やリサイクルの技術に関する近年のリサーチの一部も紹介する。