アルベルト・ジャコメッティの椅子
判型 : 四六判 上製
頁数 : 320頁
定価 : 2,420円
発刊 : 2009年11月17日
頁数 : 320頁
定価 : 2,420円
発刊 : 2009年11月17日
ISBN : 978-4-87586-184-3 C0093
私は世の狂躁に背を向け、1枚の版画を買った……
世界を覆す物語は可能か?
現代文学の極北に黙示録的地位を占めつづける孤高の作家、
6年ぶりの新作長篇!!
1980年代以降、好景気に沸く日本列島。世の狂乱の中で、創作の孤独に苛まれるひとりの青年がいた。自分を理解する者はこの世にはいない──。絶対の孤独の中で、彼を辛うじて掬い上げるのは、一葉の版画作品に描かれた、素朴な、しかし無駄な線一本すらない、芸術の究極点だった。すべてを商品化する「ハイパー資本主義」。そこに溶け込むことができず孤立する人間の良心。しかし絶望の淵にも希望は存在する……。2009年の今、世間との隔絶に苛まれる全ての人々に贈る!
【プロフィール】
山口 泉(やまぐち・いずみ)
1955年長野県生まれ。1977年、「夜よ、天使を受胎せよ」で第13回太宰治賞優秀賞受賞。89年、「宇宙のみなもとの滝」で第一回日本ファンタジーノベル大賞受賞。埴谷雄高に将来を嘱望される。小説・評論を多数発表。
■山口泉の小説作品
1984年 『吹雪の星の子どもたち』
1984年 『旅する人びとの国』
1985年 『星屑のオペラ』
1987年 『世の終わりのための五重奏』
1989年 『宇宙のみなもとの滝』
1994年 『悲惨鑑賞団』
1997年 『オーロラ交響曲の冬』
1998年 『ホテル・アウシュヴィッツ』
2000年 『永遠の春』
2003年 『神聖家族』在する……。2009年の今、世間との隔絶に苛まれる全ての人々に贈る!